グッバイXP~Windows XPサポート終了!今後も使い続けるとどうなるの?というお話
ついに本日、過去最高のOSと名高い「Windows XP」のサポートが終了しましたいやあ、出た当初はこんなに長持ちすると思わなかった。完成度と一般ユーザーのニーズを満たした傑作だったということでしょう。僕も含めジサカーやマニアの方々は基本新しいもの好きなので、どんどん新しい製品が出て欲しいと思うところですが、一般ユーザーがパソコンに求める機能ってXPで十分だったんだなって思います。かく言う僕もXPにはだいぶお世話になりました。
さて、マイクロソフトの公式サポートは終わりましたが、今日からWindows XPのパソコンが使えなくなる訳じゃありません。念のため。XPユーザーは日本中、世界中に今もまだまだ溢れています。なんたって普及率がハンパじゃありませんから。
「よし!この機会に買い替えよう! or Windows7かWindows8(8.1)にアップグレードしよう!」と思った方は、コチラの記事をどうぞ→Windows XPサポート終了間近!Windows 7、Windows 8.1乗り換えのススメ
Apple Macやタブレットもオススメでっせ。
しかし、自分でアップグレードが出来ない、予算が無いなどの理由で「いいや!まだまだXPを使うゼ!」っていう人も多いと思います。
本日は、そんな方のために「今後もXP(またはサポート切れのOS)を使い続けると何が問題なの?」ということを徒然に書いていこうと思います。
●そもそもサポートって何?
うん。今日の記事は初心者向けなので、まずはココから。
以前「インターネットセキュリティについての考察 - ユーザーサイド」という記事でも書いていますが、サポート終了で一番重大な問題はセキュリティです。パソコンのOSというのは、色々なことが出来るよう機能が盛り込まれています。「色々なことが出来る」ということは、「悪用も出来る」ということ。その悪用される穴を塞ぐのがOSを作った会社(マイクロソフト)が配布する「セキュリティパッチ」というヤツです。これによって発見された穴は塞がれ、OSそのものやOSに付属するソフト(Internet Explorerなど)が原因となるハッキング(クラッキング)やウイルス(マルウェア)を防いでくれます。
※ソフトウェアの出来ることを悪用するもの、ソフトウェアのバグや穴を悪用するものはこれに該当しません。
他にも発見されたバグを直したり、新しい規格の機器に対応させたり、新機能を提供したり、サポート期間中はWindowsに対してマイクロソフトが様々な追加・変更を行ってくれるのです。
●何でサポートは切れる(終わる)の?
「パソコンが壊れるまでサポートしてよ!」って思う人も多いでしょう。うんうん。そりゃあずっとサポートしてくれたら嬉しいです。しかし、マイクロソフトさんも商売ですから。サポートって物凄い人員と費用が掛かるので、初回売り切りの商品を永久に無償サポートし続けるってのは無理な話なのです。
むしろたくさん売れて儲かったので、こんなに長く手厚いサポートしてくれていたんです。延長サポートだった訳ですし。本来なら発売から5~6年で終了しているところです。
さらに、日々進歩を続けるハードの規格やソフト(プログラム)での新技術への対応、拡張なども昔に作られたOSでは限界が来ます。そういった新しい規格・技術に準拠・対応して作られた新しいOSへ移行を進める中で、古い物はどこかで切り捨てないといけないのです。
つまりOSとして「有効期限・消費期限・保証期間が切れた」と考えれば良いと思います。
ちなみにWindows XPのサポート期間はこんな感じ。
Windows XPリリース日
2001年10月25日(OEM)
2001年11月16日(リテール)
延長サポート終了日 2014年4月9日
サポート期間
日数単位 4554日
年単位 12年171日
Home Edition 定価25,800円(OSのみ)
日割り計算で一日あたり 約6円
Professional 定価35,800円(OSのみ)
日割り計算で一日あたり 約8円
●お金を払うからサポートを延長して欲しい
なんて考えてる人も多いようですが、今のところマイクロソフト公式で個人・企業向けの有償延長サポートは発表されておりません。イギリス政府かどこかと超高額な延長サポート契約をしたという噂がありますが、あくまで政府機関と自治体、学校のみ。民間や企業への延長サポートはやっていないようです。
上に書いた技術的な問題もそうですが、企業として新しいOSに注力したい、新しいOSを売りたいと思うのも当然のこと。さらにXP向けで開発が止まっているソフトの安全性やサイトのXP標準ブラウザIE6への対応、新しい周辺機器・業務用機器のXP向けドライバ開発などなど古いOSやソフトを使い続けることは社会的にも負担・デメリットが多いのです。
ちなみに、安全性は不明ですが中国のセキュリティ会社が自社で独自のWindows XP用セキュリティパッチを提供するなんて話もあるようです。
一部のセキュリティソフトもしばらくはサポートを継続する様子。
●サポートの切れた(終わった)XPを使い続けるとどうなるの?
さて、やあっと本題です。「別に使えるんだからこのままでいいじゃん」という方、危険です。無知ってホント危険。泥酔状態で生まれて初めて車を運転して首都高かっ飛ばすくらい危険。自分が事故死するならまだしも、他人を巻き込む可能性もあります。とは言え、安全に気を使って運が良ければ特に問題ありません。運が・・・良ければ・・・。
まず、パソコンのセキュリティについて言えば「最新だから安全」って訳じゃありません。パソコンやスマホ、タブレットに「絶対安全」は存在しません。外部と一切データのやり取りをしないスタンドアロンな使い方なら問題無いと思いますが、そんな風に使う人は稀でしょう。しかし、サポートの切れたOSはサポート中のものと比較して格段に危険度が増します。
サポート期間中は発見されたバグやセキュリティの穴を塞いでくれますが、サポートの切れたOSは基本そのまま放置です。それがかなり重大。まずは、セキュリティが緩くなることで起きる問題の一覧をどうぞ。
○遠隔操作される
昨今話題になった遠隔操作による犯罪予告など、パソコンを他人に乗っ取られて例えば他のパソコンやサイト、サーバーを攻撃する踏み台にされたりします。この場合、遠隔操作された痕跡が残らなければあなたが犯人として逮捕される可能性もあります。
○ネットバンキングで貯金を盗まれる
もしパソコンでネットバンキングをしているなら要注意です。架空口座に預金を振り込まれてしまう可能性もあります。
○勝手に株やFXの取引をされる、振込口座を変えられる
これも上と同じで、パソコンで何らかの取引をしているならそれを悪用されてしまいます。
○クレジットカードやウェブマネーを勝手に使われる
Amazonなどのショッピングサイトでキャッシュカードやウェブマネー・ギフトを登録していたら、怪しい私書箱のようなところに送り先を変更されて、高価な宝石やなんかを買われてしまう可能性があります。クレジットカードの場合、不正使用を保証してくれるものもありますが、「不正使用」であることを証明するのが大変という可能性も。
○パソコン内のデータが盗まれる
ブラウザに登録されているID・パスワードや個人情報などありとあらゆる情報が流出する危険があります。
○アカウントを乗っ取られる
TwitterやFacebook、mixi、Google、YouTube、ニコニコ動画、ブログ、メールアドレス、ホームページ、オンラインゲームなどなど、そのパソコンで利用しているありとあらゆるアカウントの情報が流出し乗っ取られる可能性があります。
○周辺機器を乗っ取られる
WEBカメラで盗撮、マイクで盗聴、無線LANを全開放、スピーカーやヘッドホンから爆音、何ならパソコン本体のCPUやGPUを焼いたり、HDDを物理破壊するなどなど、色んなことが可能になるかも知れません。
○拡散型のウイルス(マルウェア)を仕込まれて犯罪に加担させられる
自分のパソコンが悪用される・情報が盗まれるだけでなく、WEB上にアップするファイルやネットワークで繋がっている機器、他人とやり取りするデータ、メールなどを媒介にしてウイルスの拡散を手伝ってしまう場合があります。
○情報流出によって詐欺被害に合う・利用される
これは「冤罪で逮捕」と同じく二次被害ですが、情報流出の結果起きる二次被害は恐ろしいものです。軽いところで言えば、見たエロ動画やエロサイトの情報を延々自分のTwitterやFacebookで公開されていたり、自分のメルアドで知人に出会い系サイトを紹介するメールを送られたり、様々なイタズラ・犯罪に巻き込まれる可能性があります。
他にもまだまだあるでしょうが、今思いつくのはこんな感じです。「最新のOSなら大丈夫」という訳ではありませんが、サポートされているOSはこういった被害が広がらないよう発見された穴は極力早く塞いでくれます。しかしXPはそのやり方が発見されたら、OSレベルではもう防ぎようがありません。
そして、サポート切れのセキュリティで最も怖いのは「一般人がそういうことを出来るようになる」ということ。特別スゴイハッカーだけが狙う訳じゃありません。サポートが切れるということは、発見された穴が塞がれないので一度見つかった穴やバグは永久に利用できてしまうのです。
そういった情報が広まると、フリーソフトのようなもので誰でも簡単に他人のパソコンをハック(クラック)できる「クラックツール」が出回ったりします。「誰でも悪ノリでハッキング出来るようになってしまう」というのが、非常に怖く危険です。悪意ある凄腕ハッカー(クラッカー)が増殖するようなもんですね。中高生なんて喜び勇んでやりそうです。
過去にサポートが切れた他のOSでも当然同じ危険がありますが、XPの普及率を見れば分かる通り、他のサポート切れOSのユーザーは極端に少なく、そして大勢が今現在XPを使用しています。なので、一番狙われる・狙いやすいのが「Windows XP」だということ。注目もされているため、クラックの情報が広まるのも早いでしょう。もう今そういった情報があちこちで出回っている可能性もあります。
つまり単純にセキュリティが弱くなるだけでなく、狙う人も増えるのです。近所の人がどんどん犯罪者になるような危険性があります。
さて、それでは「今XPを使ってるんだけど、これからどうしたらいいの?」というお話もしておきましょう。
●ウイルス対策ソフトを入れてたら大丈夫?
かなり有効ですが、それでも危険です。
XPを継続サポートする有料高性能なウイルス対策ソフトを入れているなら、ダウンロードしたファイルやメールの添付ファイルなど通常のマルウェアやクラッキングに対しては変わらず防いでくれると思います。しかし、OSの根本的なバグや穴を塞ぐ訳ではないので、ソフト上から検出・削除・停止できない類のクラックを行われた場合、ウイルス対策ソフトに出来ることはありません。
さらにIEなどOSに標準で入っているサポート切れのソフトを悪用する場合、ブラウザを保護する一部のウイルス対策ソフト以外はどうしようも無いでしょう。
リンクをクリックしてサイトを開いた時点でIEを介してマルウェアを仕込まれる、なんてことが起こるかも知れません。
とは言え、無いよりは入れておいた方が良いでしょう。
●Windows XPを今後も安全に使うには?
運悪くマルウェアやクラッカーの標的になってしまった場合はどうしようもありませんが、極力安全性を上げる方法もあります。あくまで応急処置ですが。下記のことに注意すれば、多少は安全性が上がると思われます。
○有料の優秀なウイルス対策ソフトを使う
無料のものよりやっぱり有料ソフトの方が効果的です。XPのサポートの継続状況を確認して出来るだけ良いソフトを選びましょう。
○今までの更新プログラムをすべて適用する
マイクロソフトから配信されるXP・標準ソフト・Office向けのパッチを全て適用しましょう。
○特定の安全なソフト・サイトだけを利用する
怪しいサイトやソフトを使わない。ダウンロードやインストールをしない。これは、サポートの有無を問わず大事な防御策です。相当信用できるサイトとリンク、そしてソフトだけを使いましょう。
○IEを使わない
インターネットを見るブラウザにはGoogle ChromeかFirefoxを使いましょう。どちらも常に新しく更新され、もうしばらくはXPをサポートするようなので。IEを使うのが今回の件で最も危険な行為です。
○Officeを使わない
XP向けのOffice2003も同時にサポートが切れたため、悪意あるソフトに利用される危険があります。特にエクセルはマクロという複雑なプログラミングのような機能があるため、そこを悪用されるととっても危険です。Office関連のファイルは開かない方が良いでしょう。
○メールの添付ファイルを開かない
出来るならメールの送受信はアカウントを移して、スマホやタブレットなど他のデバイスを利用しましょう。GmailのようなWEBメールでも良いですが、添付ファイルは迂闊に開かないようにしましょう。確かGmailならブラウザ上でエクセルや画像を開けると思うので、そういうのを利用すると良いかも?
○ファイル共有ソフトを使わない
IEと同じくこちらも非常に危険です。恐らくすぐにXPハック用のマルウェアが仕込まれたダミーファイルが大量に放流されます。しかもウイルス対策ソフトで防げないようなものが。
○ファイルのやり取りをしない
CD-ROMやUSBメモリなんかでも、ファイルのやり取りは危険です。「相手もXPで拡散型のマルウェアに感染している」というのも危ないですが、新しいOSやMac相手でも「そのOSに大した効果は無いが、XPに感染すると動く」なんてウイルスが混入する危険があります。
○スタンドアロン化する
「特定のオフラインゲームやファイル閲覧用としてインターネットを切断してしまう」というのが一番効果的です。ネットにさえ繋がらなければ、情報が流出する心配も遠隔操作される危険もありません。ただし既にウイルスに感染している可能性もあるので、他のPCやスマホなどの機器とのファイルのやり取りは厳禁です。
ちなみにウイルス(マルウェア)の多くは、一見普通のファイルに見える状態で仕掛けられています。フリーソフトなどに見せかけた.exeはもちろん、.xls(エクセルファイル)、.pdf(PDF書類ファイル)、.dat(システムファイル)、.jpg(画像ファイル)、.avi(動画ファイル)などなど無数の拡張子のものが存在します。aaaaaa.txt.exeなんていう古典的なファイル偽装方法もあります。そのファイルを「Windows XPを保護するフリーソフトです(更新ファイルです)」や「資料をお送りします」なんていう釣り文句で、メールやサイトを使って感染させるのです。
さらに言うと、マルウェアに感染するのはファイルを開いた時のみではありません。サイトを開いただけで感染するものや、パソコンそのものに外部からアクセスされて感染するものなど様々。自己防衛策で多くのものから守ることは可能ですが、だからと言って「完全に安全」ということはありませんので、ご注意を。
●じゃあどうしたらいいの?
ここまで読まれた正常な知能と精神をお持ちの方は、「このままXPを使い続けたらヤバイな」とご理解いただけたかと思います。さて、じゃあどうしましょう?
一番現状維持に近い形を目指すなら、windows7にアップグレードするというのが良いでしょう。OSのディスクを購入して、DVDドライブに入れ、指示に従って入力やクリックをするだけです。念のためバックアップを取る必要はありますが、余程古かったり特殊な機種でない限り一応は現状のファイルを残しつつ使えるかと思います。※Windows7に対応していないソフトは使えなくなります。
そして、テレビ・チューナーや古いグラボなど特殊な機器・ソフトの入ったメーカー製パソコンの場合、ドライバという機器を動かすためのプログラムをそのメーカーのサイトからダウンロードしてインストールする必要があります。こちらもWindows7に非対応でドライバが提供されていない場合は、その機器や機能が使えなくなる可能性があります。
XP時代のパソコンと今のパソコンでは物凄い性能差があるので、楽をしたい場合にはもういっそ買い替える方が良いかも知れません。
まあPCやOSを買う予算が無く、どうしても今のマシンを使い続けたい場合は無料のLinux OSを入れるという手もあります。それなりの情報収集力と知識が必要ですが。
ちなみに買い替える場合、XPパソコンと現代のものではベンチマークでこのくらいの差があるそうです。
Intel Pentium 4 2.00GHz 【スコア:190】
Intel Xeon 2.00GHz 【スコア:275】
Intel Core i7-4770K 3.50GHz 【スコア:10361】
構成にもよるんでしょうが、大きな違いですね。Core2duoやCore2Quadならまだまだイケそうですが、この機会にSSD搭載の最新PCと最新OSに乗り換えると感動出来そうです。
という訳で、OSの購入や新パソコン購入も本ブログ「パソコンの匠」をご活用いただけたら幸いです。
心機一転、新しいOSで新しいパソコンライフを。
新パソコンの購入には「VSPEC (ヴイスペック)」がオススメ!
BTOパソコンの通販・VSPEC (ヴイスペック)
●パソコンの匠メニュー
○Windows7と8(8.1)の違いとOS選びはコチラ
○オススメセキュリティソフトとセキュリティ情報
○オススメWindowsデスクトップパソコン
○オススメWindowsノートパソコン
○せっかくだしApple Macに乗り換える!という方はコチラ
○オススメのAndroidタブレット、Windowsタブレットはコチラ
↓ブログランキングにご協力お願い致します。